魅惑のキスネコ!【完】


驚くあたしに
ジンは力なく微笑む。


「運転、気をつけてな。
またあとで連絡する。」

車のドアを開けてくれようとした
ジンの手に
あたしは自分の手を重ねて
それを止めた。


「あたし、シュンのところになんて行かないよ」


「え・・!」


「行かない。
あたしたちはずっと一緒だもん。
一緒に誓ったあの日から・・。
あたしとジンは夫婦。
一生のパートナーでしょ?」


「カナっ・・
本当に、いいの?
だってあいつの方が・・」


「あいつのほうが・・何?
ジンがいつだって
あたしの一番。
大切なあたしの旦那さっ・・」

言い終わらないうちに
ジンは力強くあたしを抱きしめた。
あたしもゆっくりと、
その背中に腕をまわす。


「カナ・・。
ありがとう、ゴメン。
愛してるよ。
本当に・・愛してる。」


あたしもだよ、ジン。

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