魅惑のキスネコ!【完】
繋がらない電話

家に着くと
ポパイがお出迎えをしてくれた。

柔らかいその身体を触ると
心が癒される。


ポパイを抱いてリビングに入ると
突然家の電話が鳴り響いた。

自然とそれに手を伸ばす。

ガチャッ


「はい、有馬です」


”カナ!”


「ジン?
え、どうしたの?」

ついさっきまで一緒だったジンの
ただならない声に不安を覚える。


”サヤカが!!
サヤカがナイフを持って
家を飛び出した!!”


「え!!」


”シュンを殺すって!!
目がマジだった!!”


そんな・・!!


「どこに行ったかわからないの!?
ジン今どこ!?」


”今、家の最寄り駅。
駅にサヤカの自転車あったから
電車でどこかに向かってるんだと思う。
カナ、シュンの居場所知らないか!?”


「しっ・・しらないよ・・!
シュン・・っ・・・。
あっそうだ!!」

あたしは慌てて
カバンの中をまさぐった。


「あった!!」


”なんだ!?”


「シュンの所属してる事務所っ!
”OOアクションプロダクション”だって!」


”そうか、レッスン・・!
よし、僕はそこに行ってみる。
カナは他を探してみて”


「分かった!」


電話を切り、
そのまま速攻でシュンの携帯に電話を掛けた。


トゥルルルルル
 トゥルルルルル


呼び出し音が鳴り響く。

お願いシュン、早く出て!!


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