魅惑のキスネコ!【完】

何度鳴らしてもシュンは電話に出なかった。
もしかして、と思って家中探す。

でも当然のことながら
家の中にシュンは居なかった。
ロフトの中も最後見たときと同じ状態で
合成されたあたしとシュンの写った家族写真が
散らばっているだけだった。



あたしは携帯とお財布だけを握って
家から走り出る。

携帯からも何度もシュンの携帯を鳴らした。

シュンお願い!!
早く電話に出てっ・・!


シュンと一緒に行ったスーパー、ファミレス、繁華街。
どこにもシュンの姿はない。


やっぱり、レッスンなのかもしれない。

あたしは携帯を引っ張り出し
マップアプリに事務所の住所を入れた。

ロードしてる時間がもどかしい。
気持ちばかりが焦る。


・・きたっ!!

事務所の場所は・・
ここから二駅だ。

一度家に戻って車をとって行くより
電車に乗ったほうが早いと思ったあたしは
駅に向かった。



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