魅惑のキスネコ!【完】

電車の中でジンに何度も電話を掛ける。

けど、ジンは一向に電話に出ない。
何かあったのかも知れない。

目的の駅に着き
あたしは慌てて
そのままタクシーに乗った。

手が震える。
どうか間に合って。


ブブブブブ
 ブブブブブ

「!ジン!」

携帯のバイブが鳴り
即効でそれに出る。


「もしもし!?」


”カナっ・・!
今どこ!?”


「今タクシーで
シュンの事務所に向かってるっ
もうすぐ着くよ」


”そうか、じゃぁ待ってる。”


「ジン、そこにいるの?」


”あぁ、30分くらい前に着いた。”


30分前?
そんなに前について
まだそこにいるって事・・?

嫌な予感がする。



「あれっ?事故かな?
お客さん、ここで大丈夫ですか?
これ以上は入れそうにないんで。」

はっとして前を見ると
目の前には通行止めのサイン。

そして数台のパトカーが停まっていた。

「は、はい。」
震える手でお金をわたし
タクシーを降りる。

同時に救急車が横を通り過ぎ
あたしはそれを眼で追った。

まさかあの中にシュンが・・。
ドクンドクンッと心臓が鳴る。


「ジン、着いたよ!どこ!?」

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