カーテンの中で
なんとなく、そう思った、感じた。

彼と付き合ってることが、嬉しくなった。

「私も、したいよ」

「そっか」

「うん」

そして自分から、背伸びをする。

彼も、少しだけ身をかがめる。

そっと、どちらからともなく、唇が触れ合う。

たった一度のキスの瞬間――

私は、だれよりも彼が優しいって知って、今までよりもっと、好きになった。

あのカーテンの中の日溜まりを、たぶん私は、ずぅっと忘れない……。
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