永遠(とわ)に果てぬ愛



そして、ポケットに携帯を戻した頃に、水城が謝り始めた。



「ごめんなさい、ごめんなさい」



理由も分からないまま、何度も謝っている。



「何で謝るの?水城は、何も悪いことしていないから」



優しく頭を撫でると、また涙が溢れてきた。



「私、越智くんのこと、好きでした。その気持ちに、嘘はないから」



泣きながらも、はっきりとした口調で水城は言った。

そんなこと言われるとは思っていなくて、本当に驚いたしドキッとした。

けど、同時に昔のことだと思い知らされた。

複雑な感情が入り混じる。



「……ありがとう。嬉しいよ」



心の中で、ごめんと怜央に謝りながら、水城を抱きしめた。




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