永遠(とわ)に果てぬ愛
これが、最後だろうから。
これぐらいのわがままは許して欲しいと思う。
だけど、タイミングってあるんだな。
見計らったように、屋上に入ってくる。
「和奏っ」
怜央が呼んだその声に、水城の体がビクリと震える。
「おい、何やってんだよっ」
こんな状況になっているとは思わなかったんだろう。
俺を睨みつけている。
これ以上、刺激するのはまずいだろう。
「タイミング、よすぎるよなぁ」
苦笑いしながら、水城から離れる。
それを待ってから、怜央は水城を引っ張り抱きしめる。
その2人の様子を見ながら、俺の心には痛みが走る。
怜央に抱きしめられている水城の顔は、真っ赤になっている。
怜央は怜央で、他の女にはみせないような甘い顔。
他のヤツらが入り込む隙なんて、どこにもなかったんだ。
水城が俺を好きでも、いずれはこうなる運命だったんだ。