永遠(とわ)に果てぬ愛



もちろん、みんなが来てくれたのは嬉しいし、帰りたくない訳ではない。

帰って真実を聞くのが怖いんだ。

逃げているだけだってことは分かっているけど。



「姉さん……?」



拓海が不思議そうに私を見るけど、私は口を閉じたまま。

拓海にとって私は、たった1人の肉親。

だけど私は、そんな弟をほっといて自分の感情で動いてしまった。

本当は、合わせる顔なんてないのに。



「直輝、拓海を連れて外に出て。下でお茶でもしてて」



何を思ったのか、急に莉奈がそんなことを言い出した。



「莉奈?」



当然、意味が分からなくて八塚くんは首を傾げる。



「ここからは、女同士で話すから。男は邪魔」




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