永遠(とわ)に果てぬ愛
「和奏……、何かしたの?」
「んー、していないと思うけど……」
怜央の後ろ姿を見つめながら答える。
その時、怜央が振り返った。
「和奏、早くっ」
急かすように、私を呼ぶ。
私は、戸惑いながらも怜央を追いかけた。
こんなこと、今までなかった。
学校で話すことなんてなかった。
だいたい、“和奏”なんて呼ばなかった。
なのに、どうして今日に限って話しかけるし、名前で呼ぶのだろう。
理由が分からない。
だけど、ここまで表に出てしまったら、噂になってしまうだろう。
名前で呼んでいるから、付き合っていると知れ渡る。
私は、それを止めることなど出来ない。
私が何か言えば、余計に大きくなってしまう。
私はただ、黙っていることしか出来ないんだ。