俺を好きな影に甘美あり!

こんな事あるのか、ずっと俺たちの後ろにいた存在の薄かった玲がほんの数時間も満たない間に、俺の気持ちにスッと入ってた。
こんなふうに二人でいる玲がいつも見る玲と違うからドキドキしているのか…

玲は可愛い。

気づかなかったが、玲は可愛いよ。

だからなのか気になると、止まらなかった。
玲の思う奴が知りたかったんだ。
緊張めいた高鳴りをどうにかしたかった。

「 玲、好きな奴ってさぁ 佐川か村澤のどっち?」

「 え… 」

思いきって二人の名前を出して聞いてみた。

ずっと一緒にいるからこそ、この二人のどちらかだと変な確信があった。

「 玲?」

「 あの… 違う… 」

ん? 違う…って、二人とも違うのか?
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