俺様王子様に振り回されて
「知らない?ハルを?嘘だろ・・・?」


ぼやいたのは三木。




「嘘ついてどーすんだよ。」


「そ、そだけど・・・・・・」



信じられないような物を見る目で、

三木は私を見た。



な、なんだよ・・・

ちょっとうろたえれば、羽依のため息が聞こえた。




「まぁ、茜だもんね・・・。


あのさ、茜、森井先輩はね、千秋先輩の幼馴染で、

学校の2大王子様の1人"俺様王子様"なの。」





・・・・・・・・・・は?




「学校の王子様って、三木1人じゃなかったのかよ・・・。」


「え?俺、王子なんかじゃないよ?

平凡人だよ?」


「三木は黙ってやがれ。」



その天然っぷりは、発生させなくていいんだよ!






・・・・・・ん?


というか、ちょっと待て。



この森井って奴が俺様王子、なら・・・






「私、王子に助けられたってわけか?」




呟けば、羽依が目を見開いた。






「な・・・お昼に言ってた"救世主"って、

森井先輩のことなの!?」



「あぁ、なんか、そうっぽい。」



「そうっぽいじゃなくて、そうなんだよ。」




それまで黙ってた森井が、ズパッとそう言った。







< 12 / 172 >

この作品をシェア

pagetop