俺様王子様に振り回されて
担任の勇ましさを尻目に、私のテンションは下がったまま。





目の前の山への挑戦は、あまりに過酷だろう。





だが、やるしか道はない。








私はため息をつきながらも、席に着いた。



ペンケースからシャーペンと消しゴムを取り出し、一番上のプリントに目を通す。






・・・・・・解らん。



すぐさま2枚目へ移るが。



・・・・・・解らん。





5枚目までいったとき、私は、なんかもう、どうでもよくなっていた。






くるくるとシャーペンを指の間で回しながら、私は森井へ思いを馳せる。








――朝・・・遅刻しちまったけど、私の中で答えが出た。




前を向く。


一歩前進する。



諦めたくないから。







・・・・・・出たは出たが。





何をどうすればいのか、具体的な案がさっぱりなんだ。







諦めたくないということは。



森井へアタックらしきことをしなくてはいけないだろう。






しかし。



私の恋愛経験値は0だ。





アタックといえば、バレーのアタックを1番に思い出すという有様。




さて。


一体どうすればいいものやら。






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