俺様王子様に振り回されて
ってか、それじゃあ――




「私の方が、授業聞かなきゃヤバイんだが。」



そこまで成績が悪いわけじゃないが・・・・・・


気を抜けば落っこちるぐらいではある。




中の下。

もしくは、

下の上。



つまり、普通よりは悪い、のだ。





だがそんな私の成績なんか、どうでもいいと言わんばかりに。


奴は言い放った。





「お前は俺のモノなんだから、

逆らうんじゃねぇ。


言ったろ?

『俺の言うこと、聞け』って。」









・・・・・・いや、絶対だ。


絶対、私の成績なんかどうでもいいって思ってやがる。



そして、やっぱ私奴隷じゃん!!!







奴隷となったことを再認識した私に、


逆らう術も気力もなく。



結局というかやっぱりというか。


森井千春の家に連れて行かれることとなった。













森井千春は、私の手を引いて道案内をしてくれるようで。

私の手を握った



その握り方が、あまりに優しくて。


森井千春の手が、大きくて、温かくて。




少し、ほんとに少し。


ドキドキ、したけど、

気付かないフリをした。







< 28 / 172 >

この作品をシェア

pagetop