俺様王子様に振り回されて
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン・・・



何やら壁に額をぶつけていた。





「・・・・・・どうした?」


声を掛ければ、悔しそうな声が聞こえてきた。




「馬鹿な私にお仕置き中。」


「は?」


「うぅー。羽依ぃぃぃ~」


「はぁ!?」



意味解らん。


「説明しろ。」



石原はごんごん額をぶつけながら、言った。



「せっかくの羽依とのお喋りタイムだったのに、

ぶち壊しちまったから、お仕置きしてんの。」


「・・・・・・・・・・・・やっぱ、ソッチ系なのかよ?」



「違うけど!けど・・・最近、羽依、三木の野郎とばっかいるから・・・」




モニョモニョと呟く石原。


未だにごんごん額をぶつけている。





そして、つん、と、唇を突き出して。



「羽依、大好きだから、寂しいんだよ・・・」




ふて腐れたように言う石原を、

なぜだか愛しいと思った。




と同時に、石原の親友・・・飯田にムカついた。







って、つまりソレって――嫉妬ってことじゃね?





気付いたと同時に、頭を抱えたくなった。




女相手に嫉妬とか・・・・・・







思わず、ため息をついたのだった。










―千春side end―



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