俺様王子様に振り回されて
瞬間、顔が熱くなった。




だ、って。


なんだよ、この繋ぎ方。






指と指が絡まってる――て、コレって。



世に言う"恋人つなぎ"ってヤツじゃねぇか!!!







「お、おい!」


慌てて、歩き始めた森井に呼びかける。




「なんだ?」


立ち止まって、顔だけこちらに向ける森井。





『なんだ?』って・・・『なんだ?』って!!!







「勘違いされるぞ!」


「なにが?」


「だから・・・その、つ、つつ、付き合ってる・・・って・・・・・・・」




ぬおおおお!!!


付き合ってるとか私が口に出すなんて、レアすぎるっ!!!



ガラにもなくどもっちまったぜ!




なんて思っていたら。






「別に?」



サラリと森井からそんな答えが返ってきた。






・・・・・・・・・は?




「別に?」


首を傾げれば、森井はふいっと前を向き、歩き始めた。




そして、私の顔を見ずに言う。




「俺は、お前と付き合ってるとか勘違いされても、別にいいけど?」






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