私たちで奏でる物語
龍君が声を張り上げる
続いて――
「やっほー♪」
「……」
恋君はブンブンと、那斗君は翳した手で観客に応える
(何でだろう……?彼等がいる――って思うだけで固くなっていた身体が解れていく……)
気持ちが落ち着く
強ばって忘れた顔に笑顔が戻る
「こ、こんにちは!《KR2N(クルーン)》のボーカルをしています、カンナです!」
僅かな沈黙――も束の間
私の声に、 沢山の人が歓声をあげてくれた
(……嬉しい)
溢れそう涙を堪え私はマイクを握り、龍君に頼まれていた通りに挨拶をすすめていく
「……め、メンバー紹介しますっ!!」
「ギターは、リュウ!」
私が名前を言うと、龍君は挨拶にギターを少し奏でる
「ベース……ナイト!ドラムはレン!」
那斗君も恋君も同様、素敵な挨拶
辺り一帯、歓声が響き渡る
(始まるんだ――)
私は大きく深呼吸をした
ちょっと振り返る
と三人が小さく頷き笑ってくれたから――私も応える
「それでは歌います」
「――《煌(ヒカリ)》」