七神〜私と君で咲かす花〜
とりあえず、高いところへ行って、町を見渡そう。
そう思い、再び歩み始めた時だった。
「…ぅわ〜ぁん……」
「!!?」
突然聞こえた泣き声に、思わず歩みを止めた。
夜に、こんなところで、子供の泣き声…?
私は再び辺りを見渡す。
すると、すぐ側にあった木の下に、小さな影があった。
「どうしたの?こんなところで」
影に近付き、顔を覗き込む。
「道に…迷っちゃったの…」
つぶらな瞳が私をしっかりととらえた。
そこに居たのは、五歳くらいの小さな女の子だった。
「お母さんやお父さんは?」
女の子は首を横に振った。
「わかんない。気付いたら周りに誰も居なかったの…おかぁさぁぁん…」
再び頭を埋めて泣き始めてしまった。