七神〜私と君で咲かす花〜
なんで、もっと早くに気付かなかったんだろう。
私がいつこの世界に来たかなんて、一言も言っていないことに。
「カナちゃん、あなたは一体…」
「お姉ちゃん」
カナちゃんが、私の言葉を遮る。
「…いや、佐野宮琥珀」
「!!?」
俯いたまま、私の呼び方を“お姉ちゃん”から“佐野宮琥珀”に改めた。
私、自分の名前なんて名乗ってないのに。
私は少し、身構えて次の言葉を待った。
ゆっくりとカナちゃんの口が開く。
「今日は、月が綺麗だね」
「……」
「三日月だけど、月明かりは満月に負けてない」
「でもあんた、この月明かりで照らされた町が暗くて見えないって言ったよね」
睨みながら言った。
この子、絶対何か企んでる…!!
私の中には、もう、彼女への警戒心しかなかった。