七神〜私と君で咲かす花〜
ガシッと、桜美夜行が私の肩を掴んだ。
「結局、お前は私が言う“暴走”に怯え、怖がっているだけだろ。暴走することを前提に話を進めているではないか。何故、“暴走しない”ということを考えない?」
「……」
返す言葉が無かった。
確かに、彼女のいうとおりだ。
私は、暴走する自分を思い浮かべて、ただそれに恐怖しているだけ。
お母さんが死んだ直後の自分を思い出し、暴走しないという自信をなくしてしまったんだ。
「もう一度訊く。力が欲しいか?」
桜美夜行は、再び私の前に刀を差し出した。
目を閉じてみると、どこからともなくお母さんの言葉が響いてきた。
『あなたには、仲間を守る義務がある』
“守る”ねえ………。
真っ直ぐこちらを見つめる、桜美夜行に訊いた。
「……その刀を使えば、私も役に立てる?」
「もちろん」