Always
Chapter2*Words lack of two people*

Side.M*Unforgettable scars*

10月から実家を出て、1人暮らしを始めた。

家族――父親は私の1人暮らしに最初はためらっていたけど、私が1人でも大丈夫だと言ったら首を縦に振ってうなずいた。

だけど継母、芹沢エリー(セリザワエリー)さんは私の1人暮らしに大反対をしていた。

「モエチャンがいなくなったら、私寂しくて泣いちゃいます!」

1人暮らしをしたいと言ったその後、エーンと声をあげてエリーさんは顔を隠すように手でおおった。

「お袋、気持ちはわかる」

たしめめるように言ったのは、エリーさんの息子――私の義理の弟にあたる、芹沢慶太郎(セリザワケイタロウ)くんだ。

私はその光景を、冷めた目で見ていた。

エリーさんはアメリカ人と言うこともあってか、底抜けに明るい性格をしている。

彼女の明るい性格に憧れを持っているのと同時に、強い苦手意識を感じていた。

例えるとするなら、エリーさんは誰からでも好かれるひまわりのような存在。

一方の私は、その場に咲いているだけでも嫌われる彼岸花のような存在だ。

父親の連れ子である私を、実の娘のようにかわいがってくれていることには感謝している。

だけど…私のことなんていないのも同然に扱って欲しいと思っている。
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