Always
「あ…えっと…風吾さんを待たせちゃいけないと、思って…」

とっさに言ったにも関わらず、
「そうですか。

僕は、萌さんの料理ができるまで何時間でも待ちますけど」

風吾さんは笑ってくれた。

その笑顔に、ホッと胸をなで下ろす。

「今何か作りますね」

…ああ、やっと笑えた。

私は立ちあがると、靴を脱いでキッチンへ向かった。

「疲れてるなら無理をしなくてもいいんですよ?」

風吾さんが私についてくるようにキッチンへやってきた。

「風吾さんの顔を見たら、疲れなんて忘れちゃいました」

そう言った私に風吾さんはプイッと横を向いた。
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