Always
恵と目をあわせた。

「繋いだら…もうその手を間違っても、もう2度と離すな」

僕と目があったのを待っていたと言うように、恵が言った。

「――だけど…」

「フーゴ」

言いかけた僕を、恵がさえぎった。

「好きな女の手を繋いで、その女を一生かけて守ることが男の役目だ」

「うん…」

諭すように言った恵に、僕はうなずいた。

「ベビーリングの意味はフーゴもわかっている通り、幸運のお守りだ。

だけどな…幸運は自分で道を切り開いて、作って行かないと出会うことができない」

僕は手の中のベビーリングを握りしめた。
< 268 / 303 >

この作品をシェア

pagetop