Always
次にクローゼットから出したのは、Aラインのベビーピンクのドレスだった。

エリーさんはそれを私の躰に当てると、キラキラと目が輝いた。

「これ、モエチャンに似合います!」

キラキラした目とキラキラした笑顔で言われた私は、どうすればいいのかよくわからなかった。

「モエチャン、着てください!」

「――えっ、ええっ…!?」

されるがままされて、気がついた時には私はベビーピンクのドレスを身にまとっていた。

「かわいいです!

モエチャン、お姫様みたい!」

エリーさんは少女のようにきゃっきゃっとはしゃいで手をたたいて喜んでいる。

クローゼットに備えつけられていた鏡に、ドレス姿の私が映っていた。
< 75 / 303 >

この作品をシェア

pagetop