Always
何か恥ずかしいな…。

そんなことを思った私に、
「私、今すごく嬉しいです」

鏡越しにそう言ったエリーさんの目は潤んでいた。

「えっ?」

私は鏡からエリーさんに視線を向けた。

エリーさん、泣いてるの…?

いつも底抜けに明るい笑顔を見せている彼女とは違う姿に、私は戸惑った。

「モエチャン、私の娘になってくれてありがとうございます。

私…娘ができたら、こうして服を選んで着せかえることが夢だったんです」

エリーさんは潤んでいる目を隠すように笑った後、洟をすすった。

「――ッ、そうだったんですか…」

どうしよう、私まで泣きそうになってきた…。
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