ハリネズミの恋
懐かしい昔の映画を思い出していた時、タケルのハスキーボイスから太のテナーボイスに変わった。
太は腹の底からテナーボイスを出して、ギターを激しくかき鳴らしながら歌っている。
イっている…もとい、自分の世界にすっかり入ってしまっている太のその顔は文字通りの“鬼”であった。
しかも黒い服に高身長ときたもんだから、なおさら“鬼”である。
太のソロパートが終わると、タケルがドラムをたたきながらハスキーボイスで歌い始めた。
観客はオールスタンディング。
いろいろな意味ですっかり出遅れてしまった俺と針井は、騒然となっている会場にどうすればいいのかわからない。
「痛いッ!」
針井が悲鳴をあげた。
「おい、どうした…」
足元には中身の入ったペットボトルが転がっていた。
誰かがステージに向かってペットボトルを投げて、それが針井の頭に当たったようだった。
太は腹の底からテナーボイスを出して、ギターを激しくかき鳴らしながら歌っている。
イっている…もとい、自分の世界にすっかり入ってしまっている太のその顔は文字通りの“鬼”であった。
しかも黒い服に高身長ときたもんだから、なおさら“鬼”である。
太のソロパートが終わると、タケルがドラムをたたきながらハスキーボイスで歌い始めた。
観客はオールスタンディング。
いろいろな意味ですっかり出遅れてしまった俺と針井は、騒然となっている会場にどうすればいいのかわからない。
「痛いッ!」
針井が悲鳴をあげた。
「おい、どうした…」
足元には中身の入ったペットボトルが転がっていた。
誰かがステージに向かってペットボトルを投げて、それが針井の頭に当たったようだった。