龍神様との恋愛事情!
「オボロと申します」
「オボロ…?月に龍と書いて朧(オボロ)かい?」
「はい。その通りです」
「へえ…なかなか風情のある名前だね」
「ありがとうございます。実体が虚ろである銀龍にはピッタリの名前でしょう」
「ふふ、そうかもね」
「あの……そちらに参っても構いませんか?」
「ああ、構わないよ」
了承してから千早様は私の肩に、しぼった着物を広げてかけてくれた。
それから千早様自身も着物を羽織ると、川の方を見つめ朧様のことを待つ。
すると、川からひんやりした風がこちらに流れてきた。
「千早様、お初にお目にかかります。僕が銀龍の朧です」
川の水面に浮かぶように現れた龍神様。
人の姿をとってくれたおかげで、朧様の容姿をハッキリ見ることができた。
「……い…伊吹、様?」
彼の第一印象。
伊吹様にそっくり。