龍神様との恋愛事情!
「おじいちゃんカッコイイね。おばあちゃ……おばあちゃん?」
隣を見て驚いた。
おばあちゃんは泣いていた。
「どうしたの!?大丈夫?」
私は慌ててティッシュ箱を持ってきた。
「あらやだ…なんかね……変ねぇ…」
ぽろぽろと涙をこぼすおばあちゃん。
指で目を押さえながら、落ち着いた声でこう言った。
「誰だかわからないのに…なんか、苦しくなっちゃってね…」
この言葉に、私まで泣きそうになった。
「ごめんね…おばあちゃんだって、辛いよね」
差し出したティッシュを受け取って、おばあちゃんが鼻をかむ。
「気分転換にお散歩行かない?一緒に行こう?」
まだ日は高い。
私が一緒だから大丈夫。
その日、私達は夕方頃まで近所の田んぼ道を散歩して過ごした。