龍神様との恋愛事情!
「見せてごらん」
言われて私は左の袖をまくった。
「あっ!痣が…」
三つの鱗が五つに増えていた。
侵食――。
私の身体が、龍に侵食されてゆく。
「このペースだと一週間は持ちそうだね。早い人間は一日で龍化してしまうけど」
「……この痣は、私が生まれた頃からあったんです。十七年間、何ともなかったんですよ?なんで、今さら…」
「生まれた頃から?それも妙な話だね。後で伊吹を問いただそうか…」
千早様は私の袖を直しながら軽く溜息をつくと、改まって言った。
「とにかく、発症してしまったのだから、沙織の選択肢は一つだよ」
彼の抱きしめる力が強まる。
「一週間以内に龍の世界へ来ること」
やっぱり、選択肢はそれしかないの…?