龍神様との恋愛事情!
上品に笑いながら私の頬をムニッとつまむ千早様。
「か、からかわないで下さい!」
「こら、大声出さない。おしゃべりするなら塒山へさらっていくよ?」
そっと腰を抱き寄せられる。
「お…お願いします」
「ふふ、了解」
周りに人なんていなかったけど、私は千早様にさらわれることを選んだ。
「千早様」
「ん?何かな?」
飛翔する千早様に、私は気になったことを問い掛けた。
「千早様にも叶えられない願いって何ですか?」
「うーん、色々あるね」
「色々…?」
「主に、永続的な願いが難しいかな」
永続的な願い?
「例えば、頭が良くなりたいとか。病気を治してほしいとか」
えっ…。
病気…?