10年後のクリスマス…あなたに会いに行きます
潤平の事は忘れた、忘れたはずだった。



なのに、銀行の来年度のポスターに風間潤平を使う事になったと知らされた。



なんで、どうして、風間潤平なのよ。



風間潤平が地元の銀行のポスターならと、快く引き受けたらしい。




そのポスター撮りに、風間潤平が地元に帰って来るのだ。



その撮影会が明日。



私は明日有給を取っていた。



別に特別な事はなかったが、月に一度は有給を消化しないといけない。



たまたま、その日が明日なだけだ。



ポスター撮りの担当は純弥さんで、純弥さんから樺音もおいでと誘われたが、友達と出かけると嘘をついた。




会いたくなかった。



ただ、潤平に会いたくなかったのだ。



あの約束を信じてる自分が、バカみたいで情けなくて堪らなかった。



こんな惨めな自分を見せたくなかった。



私の最後の意地。



風間潤平を早く忘れたい。



そればかりを考えていた。





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