揺れる恋 めぐる愛
弓なりに反りかえる躰を男は両腕で力強く捕まえたまま

強引に押し広げ、ただ私の躰の奥に向け一直線に押し入ってくる。

「いやぁぁぁあああああ~~~」

絶叫しながら今まで見たことのない所へ一瞬で飛んだ。



どのくらい時間が過ぎたのだろうか?

たゆたう意識の中でふと思う……

セックスはあまり好きではなかった。

昔痛い目にあってしまって以来、その気になることはあまりなくて

ガードは堅かったはず。


食って、眠って、ヤルことは神様が人に与えた欲。

醜い肉欲に操られてただ交わる行為に何の意味があるんだろう……

所詮、その程度のこと。

そんな理論武装で守っていた私の硬い殻を、

この男はほんの一瞬で壊してしまったのだろうか?


それから少しはっきりと意識が戻ってきてからも、しばらく……

じっと腰を押し付けたまま、躰を揺すぶり続けていた。


それなのに、突然腰を大きく縦にグイと持ち上げられる。

目前で火花がパチッと弾けた……

次に横にずらして奥を抉る。

また閃光がキラキラと煌めいた……


自分のどこから出るのかわからない知らない艶声が

耳と頭いっぱいに木霊する。



知らない。

こんな私……

知らないのに。

こんなことがいつまで続くのか……

心底怖くなった。
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