love letter~章吾~
先生の声が遠くから聞こえてくる。
尾関のことなんか関係ねぇし、と、無関心を装う。
「さっき倒れて、翠川くんが保健室に連れて行ってましたぁ」
どこからともなく、そんな声が聞こえてくる。
そういえば聡、まだ戻ってきてねぇな。
あんなバカのことなんか放っておいて、さっさと戻ってくりゃいいのによ。
先生は「そうかぁ」と言いながら、再び出席簿に目を落とす。
次に出欠の名前を呼ばれるのは俺の番だ。
先生はすぐに俺の名を呼ばずに、少し考えるような顔つきで俺をじっと見た。
……なんか、すっげーヤな予感がするんですけど。
「笠原」
「はい」
「おまえ、翠川を呼んで来い」
「はぁ!?どうしてですか?つか、なんで俺?」