love letter~章吾~

逆に俺は重い足取りで教室に向かいながら思った。



……あのバカ、学校間違えてるんじゃないか?

そもそも、あいつがここに合格したこと自体なにかの間違いで……。

あいつが着ているこの学校の制服も、通販かオークションで手に入れた物に違いない……。

掲示板にあった『尾関由香』ってのも、あいつじゃなくて、全くの別人に決まってる!



教室に入ると、出席番号が一番違いの尾関は俺の目の前の席に座る。

呼びもしていないのに、尾関は当たり前のように後ろの席に座る俺の方に身体を向けて、はしゃいでいた。



「嬉しいなー。笠原くんと同じ高校に入れたうえに、同じクラスだなんて」


……だからさぁ。

おまえ、学校、間違ってるだろ?

学年最下位グループのおまえと、学年上位グループの俺が、同じ高校なんてあり得ないだろ?

……裏口入学でもしたのか?

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