jack of all trades ~珍奇なS悪魔の住処~【完】
久々に耳にした罰ゲームという言葉に、わたしの涙は引っ込んだ。
少々恐怖を感じたが、この陶器君のためにも罰を受けることにした。
「何? 罰ゲームって・・・・・・」
香さんは、目を瞑り、片手を顎の下に当てて考え始めた。
「そうだね~。あっ! 閃いた! 蕾、2階へおいで」
そう言うと、香さんは引き出しから自前のカメラを取り出して、先に2階へと上がっていった。
(カメラ・・・・・・?)
わたしは首を傾げながら、後をついていくしかなかった。

部屋に着くと、こたつを囲んで座った。
(なんだ、いつもどおり)
わたしが安堵していると、香さんが横にやってきた。
「蕾、こたつから出て」
そう言って、香さんが悪戯な笑みを浮かべたところで、罰ゲームは開始をされた。
「じゃんけんして、蕾が負けたら、少しずつ身に纏っているものを減らしていくんだよ」
(なんてありきたりなゲーム! だけど、実際やる側となったら、相当過酷なゲームだよ!)
「えっ~! やだよ、そんなの! 最初から薄着だし・・・・・・。わたしが勝ったときはどうなるの?」
わたしが羞恥のあまり不貞腐れた顔をしていると、香さんは笑って言った。
「もう、蕾は我がままだから困っちゃうな。分かった。ハンディをあげるよ。このコートを着た状態から始めていいよ。蕾が勝ったら、そのときはお休みで何もしなくていい」
コートには大きい3つのボタンが付いていた。
3回は身が守れるというわけだ。
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