プリーズ・イート・ミー

゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚

クリスマスイブの夜、あたし――戸田杏里はちょっと……いえ、かなりウキウキ状態なのです。

だって、大好きな人と一緒にいるんだもの。


あたしは今、スキー場へと向かう車の中にいる。
といっても、運転しているのは、あたしじゃない。

となりの運転席にいるのは、この車――ホンダCR-Vの持ち主、冨樫亮太(とがしりょうた)さん。

冨樫さんは、すごくかっこいい。
というか、あたしの理想が服着て歩いてる……みたいな人なのだ。

歳はあたしより6つ年上の29歳。

アウトドア派な彼は、夏はサーフィン、冬はスノボをやっているらしく、日に焼けた肌がいかにもスポーツマンって感じがする。

ハンドルに添えられた骨ばった指、捲り上げたシャツから覗く筋肉質な腕。

ああ……あの腕の中に囚われて、ギューって抱きしめられたら、どんな気分になるんだろう。

あたしなんてもう天に昇っちゃうぐらいクラクラしそう。

< 41 / 101 >

この作品をシェア

pagetop