プリーズ・イート・ミー
わー。あたし、すごい乙女なことしてない?
てか、我ながら恥ずかしい……。
なんて照れまくってたら、ギューって力いっぱい抱きしめられた。


「取る取る。責任とっちゃう」


どこまで本気でどれが冗談なのかわかんない。いつものふざけた感じで彼が言う。

悔しいけど、こういう調子の良いとこも、これはこれで好きなんだよね。

呆れながらもつい和也のペースに乗せられちゃうの。きっとこれが惚れた弱みってやつ。


「……沙智」


耳元で彼が囁く。
息が耳にかかって、体の力が抜けそうになる。
きっとのぼせているのは、お風呂のせいだけじゃない。


「つながりたいです」


ボソッと言われ、ほんの一瞬、その意味を考える。

あたしは慌てて彼の腕の中から体を離した。


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