プリーズ・イート・ミー
「は? 何言ってんの?」

「今すぐ、ここで」


もう一度抱きしめられそうになり、グーっと彼の体を押す。


「だめだめ! 今日は無理。てか、つながりたいとか、ストレートすぎるってば! ばかぁ」

「だめ?」

「だめ!」


キューンって、叱られた子犬みたいになってる。6歳も年上のくせに!

もーなんだって男の人って、こんな子供みたいなスネかたすんのよ!


「じゃ、キスで我慢します」


彼がゆっくりと顔を近づけてきた。


「“先生、キスはエッチに入りませんよね?”」


お風呂に入る前と同じ質問に、あたしは少し戸惑うふりをして、それから小さく頷いた。


「入らないと思いま……」


その言葉は彼の口に飲み込まれ、最後まで言わせてもらえなかった。


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