迷惑なイケメンに好かれました。
お願いだから黙っててほしい。
だけど
「違う……知り合いなんかじゃ、ない」
知り合い、なんて言葉じゃ片付けさせない。絶対に。
その程度の関係性の人間に、男嫌いになるほど苦しめられてたまるもんか。
「芽依……」
不安そうな千春の声がする。だけど、私は真っ直ぐと空を見つめる。
そしてまた彼も、真っ直ぐと私を見ていた。
久しぶりに見た空は、少し大人っぽくなっていて、背ものびて。それはいまだに滲んだ視界でも、分かるほどに。
そして、やっぱり悔しいほどに綺麗で。
汚れを知らないような美しさを持つ彼が、大好きだった彼が、確かに目の前にいた。