迷惑なイケメンに好かれました。
強くならなきゃ。
乗り越えなきゃ。
……だって私が幸せでいれば、空は幸せなんでしょ?
「……最後に、聞かせて?」
「ん?」
終わりが近付くのを察して、口を開く。
それは今日空を見て真っ先に抱いた疑問。
「その制服……っ」
「ん?条高の夏服だけど」
「……へ?条高って…ズボンそんな色だった?」
戸惑いながら尋ねれば、空は自分の制服を見て、あぁと呟けば
「ちょっと俺の破れちゃってさ、予備がなくて。先生に聞いたら制服が届くまでの二、三日なら何でも良いって言われたから知り合いに借りたの。
……まさか、俺が創成に行ってると思ったの?」