雪の足跡《Berry's cafe版》

「う、産むわよ!」


 ならいい、と八木橋はボソリと言う。


「ヤギ?」
「なんかさ、産むの戸惑ってるみたいに見えたからさ」
「あ……うん……」


 オドオドした私を気遣かってくれたのかもしれない。


「俺、男の子でも女の子でも……」


 八木橋はそう言いかけて、何でもねえ!、とベッドに寝転がった。







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