雪の足跡《Berry's cafe版》

「毎日、ユキの飯が食いてえし」
「食べ物ばかり考えてるのはヤギの方じゃない……」


 八木橋は、うるせえ、と言ってキーを回してエンジンを掛けた。自宅に戻る。明かりは点いてなくて、ダイニングには母の書き置きがあった。妹のところに行ってくる、帰りは朝になるから、とメモ書きされていた。あの見合い写真を持って行ったのかと思ったけど、あの茶封筒は棚に置かれたままだった。

 お母さんに気を遣わせちまったな、シャワー借りるぞ、と八木橋は言いながら浴室に行った。私は母が用意してくれた布団を仏壇のある和室に敷く。客用の浴衣を脱衣所に置く。でも結局は八木橋は私の部屋に転がり込んだ。私も続けてシャワーを浴びた。

 八木橋が待っていた私のベッドに潜り込む。八木橋は覆いかぶさると、私を逃がさないよう後頭部に大きな手を当ててキスをする。もう一方の手で愛撫をする。器用にパジャマを脱がす。今夜で抱かれるのは3度目、八木田橋は私の弱点を見つけて荒々しく大きな手で愛撫をしては、時々唇で優しく私の体を吸う。

 そして枕元に用意していた避妊具を付けると膝裏を抱え、挿入してきた。そしてひとつになると八木橋は私に覆いかぶさり、腕ごと抱えるように背中に腕を入れる。羽交い締めするようにきつく抱きしめた。






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