雪の足跡《Berry's cafe版》
「技術選、最高の状態で臨んで欲しかったから」
「だからって」
「あの板じゃ入賞は厳しいってアマチュア向けの板でしょ?」
「そうだけどよ。ユキ、車はどうすんだよ」
「車は無くたって」
「アホっ。買い物だって満足に出来ねえだろ。研修講習で俺がいないときどうすんだよっ」
「路線バスだってあるし宅配だってあるし」
「灯油とか米とか重たいモンだってあるし、急に薬が欲しいときだってあるだろ?? 大体宅配って金掛かるんだろ?」
八木橋の声は次第に大きくなった。勝手に注文して怒るのは分かってたけど、ここまで怒鳴られるとは思わなくて、つい……。
「か、掛かるわよ! でもあんな高いカフェで二人分平らげた上にケーキ追加するほどの金額じゃないわよ」
「何だよっ、食いモンにケチケチしやがって」
「大体、あんなカフェに行かなくたってうちでご飯食べればいいじゃない! 結婚前と同じって訳にはいかないでしょ! 何にも分かって無いんだから!!」
「分かってねえのはユキだろ??、アホっ」
「アホ?? アホはそっちでしょ!」
売り言葉に買い言葉だったのもある。それだけじゃなくて今まで溜まってたストレスを爆発させるように私は口答えした。アホの言葉に八木橋が立ち上がる。私も応戦するように立ち上がった。