雪の足跡《Berry's cafe版》
「……私、お皿洗っちゃう……から……シャワー浴びて……きて……」
声が震えてるのが自分でも分かる。でも言えただけえらいって自分で自分を褒めた。きっと八木橋が後ろから抱きしめてくれたから。これが正面だったら、私はまた悪態を付いてたと思う。
八木橋は腕を緩めて私の背中から離れた。私は解放された腕を上げてレバーに手を掛けた。私の視界の隅を八木橋の姿が動いて消えた後、ユニットバスのドアを開ける音がした。