おかしな国のアリス
「と、いうわけで」
猫を探してるの。と、私は今までの事を話した。
「そうなんだ…」
「そうなんだ…」
「そうなんだ、そうなんだ。」
双子と帽子屋さんがうなずいた。
「それならそうと早く言ってよ言ってよ!アリス!」
いや、あなたがそのタイミングを奪ったんでしょう…
「って、え?どういうこと?」
帽子屋さんは温くなった紅茶を飲んで、
「猫ならうちに居るよ!うちに居るよ!」
意気揚々と言った。
「うそっ、白兎っ!聞いてた?猫、ここに居…」

振り返ると
兎は寝ていた。


…なんなのだろう、この兎…
「兎」
「兎」
ぬっと双子が、白兎の後ろに立ち
「起きなさい」
「起きなさい」
両方の頬を片方ずつひっぱった。
「…っいひゃ!いひゃいいひゃい!ふひゃお!(痛っ!痛い痛い!双子!)」
じたばたする兎。
双子は満足気に笑って、手を離した。
「う…すみません…アリス…なんでしょう…」
「だから…猫がここに居るんだって!」
呆れながら言うと、本当ですか、すぐに向かいましょう!と張り切り出した。
…寝てたくせに…

その様子を見て、双子がクスクス笑った。
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