おかしな国のアリス
「あなたは、本物の白兎?」
「ええ、もちろんです!さぁアリス、早くここからでましょう!」
…違う。
次。
「あなたは?」
「僕です。」
違う。
次。
「あなたは?」
「大当たりですよアリス!一緒に…」
違う。
次。
…の白兎に話しかけようとしたら
「あなた!あなたがニセモノだ!」
「違います!ニセモノはあなたでしょう?」
「あなただ!!」
「あなただ!!」
「あなただ!!」
わぁわぁ、言い争いが始まってしまった。
…ど、どうしよう。
「アリスーどーすんの?」
「わ、わかんない」
うーん。
おさまりそうもないし…
勝ち残ったのが本物だ!
…っていうわけにはいかないし…。
「アリス」
「へ?」
がしっと腕を掴まれる。
――みんな私の腕掴むの好きだなぁ…――
「行きましょう」
「し、白兎?」
丸眼鏡にふわふわな白髪の白兎。
本物?
「ええ。
苦手な人は帽子屋。好きな人はアリス。」
……。
本物だ…
「参りましょう」
にこり、ほほ笑んだ後、ニセモノ達の争いを横目にそこをあとにした。
チェシャ猫とトランプ兵もついてくる。

「白兎」
「なんです?」
「本当に、本当に…本物だよね?」
「そうですよ?
なんなら、猫に匂いでも嗅いでいただきましょうか?」
「…。そうね…」
ちら、猫を見ると
「は?俺に?」
すごい嫌そうな顔をしたけど、私がうなずいたら、
「んなの嗅がなくともわかるっつの…」
ちゃんと知ってたみたい。
よかった…
あの争いに参加しないあたり、きっと本物なんだろうな。
よかった…本当に。

そして私たちは、女王様探しを再開した
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