coconut
malibu
「亜樹と別れようと思うんだ。」

最初、私に向けられた言葉って
受け止められないままで居た。

当時は仕事が忙しくて、
家にまで持ち込んで、パソコンで
カタカタ仕事をしていた頃だった。

週末くらいは一緒に居たくて
恋人の耕輔の家にずっと居た。

ゴハン作ったり、掃除したり、
一緒に買い物行ったりして…
普通の日常が優しかった。

ヒトリ暮らしの耕輔はいつも外食で
作ってあげれる時はなるべく
作ってあげていた。

栄養のバランスとかそういうのは
あまり考えられなかったけど
なるべくお野菜多めで…
気持ちも少し込めて…
二人で食べたりした。

会社で忘年会とかあったときも
家とは逆方向に帰る私は
耕輔の家に向かっていた。

いい意味で当たり前に思われて
いい意味で私も…ドキドキして
当り前だった。

何より、耕輔が大好きだった。
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