鉄の薔薇姫
俺はこのままでいいのか?


好きな女に守られ、好きな女の影に潜んで。
いつまでも想いを遂げる機会も得られないまま、欲のまま身体を重ね、口ばかり「守る」と豪語して。

自己満足で停滞していくだけじゃないか?


心の中に湧き上がる気持ちがある。
レンカはシアを見つめた。

鉄の薔薇姫。
愛する人。


俺はこのままでいてはいけない。


レンカはシアの手を取りぎゅっと握ると、間近にある唇に口付けた。


「……レンカ?」


決意のキスだ。
唇を離すと、レンカはシアを真摯に見つめる。


「シア隊長、この戦闘が終わったら、俺は海兵軍に異動を申し出ようと思います」


シアがかすかに驚いた表情を見せた。


「部下扱いの悪い上官に愛想が尽きたか?」


「違います」


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