* 竜の眠る国 *




「体は大丈夫か?」


「え…

 あ、うん。大分、楽……」



 青い瞳に見つめられ、うまく話せない私をよそに、彼は勢い良く私の手首を掴み引き寄せた。




「――っ い…っ!

 な、に?急に…!」



 私の叫びを無視し、彼はさらに体を密着させる。


 熱を出して寝込んでいた私は、体が弱ってるせいで力が入らず、されるがまま。



「シオン…?」


 彼は私の声を無視し、ジッと私を見つめたまま動かない。

 初めは恥ずかしくて目を反らしたり俯いたり……なんとかその視界から抜け出せないか動き回ったけど、私を見つめたまま身動き一つしない彼に、私は不思議に思った。



「シオン…?」



 その、真っ直ぐな瞳が怖い……



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