* 竜の眠る国 *






「さ、これでよし。

 今日は穏やかな陽がさしてるわ。いい散歩日和よ」



 鏡越しにマーサがニコリとした。

 それからすぐ、鏡の中の自分を見て驚く。



「ユウナの髪はこの国にはない綺麗な金色ね。
 日の光でさらに光り輝くわ、きっと。

 あと少しで騎士達が見回る時間なの。
 皆が皆、驚くでしょうね」


 ふふっと少女のような、悪戯を思い付いたようなその表情に、苦笑い。



 私は見せ物ですか。



 でも、マーサが言うように、鏡の中の私は別人のようで。


 髪を丁寧に巻いてくれ、それから慎重に箱から取り出した青い宝石の髪留めを着ければ、金色の髪の毛が良く映えた。




「この髪留めはシオン様からの贈り物ですよ。

 大切になさい」



 マーサの言葉に「えっ」と彼女を鏡越しに見ると、優しい笑みで私を見た。



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