にゃんこ男子は鉄壁を崩す
彼女の秘密……知りたくなかった


 夜になってもミィコもハートのクッションもこの部屋には来なかった。寂しくなった私は少しだけ回復した腰を押さえてバスルームへ移動する。

 昨日、ひと駅分歩き、そして雪かきまでしてかなり汗をかいたにも関わらず、お風呂に入ることができなかったから、ちょっと……臭い気がする。

 自分ではわかりにくいけど、おそらく臭いはずだ。

 
 鉄壁の私は朝、ミィコが出て行ってから鍵をかけた玄関を見てもう一度鍵がかかってるか見る。


 よし、異常なーし! お風呂、入ります! 

 ……アタタタタ…… 


 ぎっくり腰になったって乙女は乙女よ。35歳にもなって乙女とか言うなって? じゃあ、訂正しよう。うら若き乙女の時代が私にもあった。だから、女の子として臭い、というのは絶対に許せない。

 ……例え、客人が来ないとしても。


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